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病気と治療

生活習慣病

糖尿病

遺伝・食事内容・毎日の運動量などで、血糖が変動します。
コントロールの悪い状態がつづくと三大合併症(網膜症・腎症・神経症)をきたします。年齢・全身状態により、治療方針が異なります。治療内容は日々進歩しており、当院でインシュリン治療を続けている方もいます。
DPP-4阻害薬(低血糖を起こにくい)SGLT-2阻害薬(糖を尿から排泄し血糖を下げ体重を減らす)といった新しい薬も効果をあげています。

食事面での注意点

  • 朝食の摂取。夕食の減量。夜9時以降の食事摂取禁止。間食不可。禁酒。
  • ゆっくりよく噛(か)んで食べる。(少量で満足感が得られる)
  • 揚げ物炒め物はさける。肉よりは魚。焼くより煮る炊く。
  • 体重を毎日計る。短期集中で結果を出す。

当院の対応

生活習慣の改善に、食事内容や生活リズムをお聞きし、個々人の効果的な方法を一緒になって考えていきます。

高血圧

安静時の血圧で、140/90mmHg(平均)が一つの基準です。合併症や臓器障害などでより厳しい基準が必要な場合もあります。 塩分摂取・不眠・肥満などが悪化原因となり、この改善で10-20mmHg下げられるとも言われます。

食事面での注意点

  • 漬物・味噌汁・佃煮・ふりかけなど注意。醤油などの調味料も配慮が必要。
  • かまぼこ・はんぺん・ハム・ベーコンなどの保存食も塩分過多になるので注意。
  • インスタント食品・ラーメンなども控える。
  • 塩分と拮抗するカリウムの多い野菜・果物などを摂る。

当院の対応

禁酒(肥満)・禁煙(タバコは、動脈硬化をきたし、脳梗塞の危険)
自己血圧測定をお願いし、診察時確認します。

脂質異常症(高脂血症 コレステロール 中性脂肪)

前と違い、豊かな生活をしている人より不安定な生活をしている人に増えているようです。女性の場合は、ホルモン事情もあります。
糖尿病・喫煙者・心臓病の人は、特に厳格な治療が必要です。血管の老化(動脈硬化)は、健康寿命に大きく影響します。

食事面での注意点

  • インスタント・ファーストフード(ハンバーガー・フライドポテト・ピザなど)
    ラーメン・カレー・揚げ物・炒め物がよくありません。

当院の対応

最近のお薬は非常に効果的ですので、ぜひご相談ください。
食事内容についても確認し、的確にアドバイスします。

肥満

BMI=体重(kg)÷〈身長(m)×身長(m)〉 。BMIは20〜25が目安。
優秀なビジネスマンや多くの有名人も運動に励み、体重コントロールをはかっています。他の生活習慣病と共に健康寿命に影響します。

食事面での注意点

  • 毎日の体重記録が大切です。
  • 糖尿病の食事と同様。朝食の摂取・夕食の減量。間食不可。禁酒。
  • 糖分はある程度制限すべきとされています。

当院の対応

食事に気を配り、体重が減ったら運動量で太りにくい体を作ります。
短期間に結果を出すことで、続ける意欲がでます。
アルコール・清涼飲料水も大敵です。

喫煙

受動喫煙防止法の制定が叫ばれ、公衆マナーとしての禁煙・分煙が進められています。また、年々喫煙者は減っており、この20年で男性は半減し30%となっています。残念ながら女性はほぼ横ばいで10%ほどです。
その影響は多彩で、まず、妊娠時は赤ちゃんによくありません。
健康面から肺がん喉頭癌を始めほぼ全身の臓器の癌と喫煙の因果関係が証明されています(がんセンターホームページ参照)。呼吸器疾患(肺気腫・慢性気管支炎)・心筋梗塞胃潰瘍・閉塞性動脈硬化症・血管年齢にも影響します。
高齢になると、寝タバコ・火の不始末の問題が出てきます。
身体・車・居住空間ににおいがしみつき、周囲が不快に感じます。
ニコチンの依存性は強く、内服薬による治療が、成績が一番良いと考えます。

当院の対応

一部副作用で、継続することが難しいケースもありますが、お気軽にご相談ください。自己負担は 日々のタバコ代よりは安く、充分取り組む価値のある方法です。禁煙に成功すると、食事もおいしく感じられ、顔の表情もかわります。ご家族の方からもお勧めしてください。

感染症

インフルエンザ

毎年、年末から春先にかけて流行し、症状が強いのが特徴です。小児・高齢者は重症化しやすく注意が必要です。集団発生することも多く、会社や学校でも問題になります。
自覚症状としては、高熱・鼻汁・関節痛・咽頭痛などで、まれに気管支肺炎やインフルエンザ脳症をきたし入院が必要になります。
厚生労働省の指示により、最低5日間自宅安静が必要です。

当院の対応

迅速診断で対応し、抗ウイルス剤の投与を行なっています。
幼児・高齢者に限らず、受験や仕事に支障をきたす若い方・成人の方も、毎年10〜12月に予防接種を施行しています。

ノロウイルス

近年、冬場の急性胃腸炎の原因として注目をあつめ、感染性が強く問題になっています。牡蠣など2枚貝の生食による食中毒が有名。
発熱・腹痛・吐き気・激しい下痢などで発症。唾液・糞便などを介し家族内感染します。手洗い・台所・トイレ周囲の消毒(塩素系漂白剤)、食器の加熱滅菌(食器乾燥機など)が必要になります。

当院の対応

ウイルス疾患なので対症療法になります。発熱・吐き気・下痢の症状を抑え、必要な方には点滴なども行います。

肝臓病

C型肝炎

血液検査や超音波診断で、活動性や進行度を診断します。生活上の不安もご相談に応じます。
最近では、内服薬の治療の発展が著しく、良い成績が得られています。
進行度・ウイルスの種類や量・今までの治療歴などで、治療方針が異なります。
また、治療が高額になり補助制度の活用も大切です。詳しくは、院長までお問い合わせください。

NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)

最近注目を集めている予後不良の脂肪肝。
著しい肥満や糖尿病に伴う肝機能障害で、繊維化をきたし肝硬変になることもあります。
血液検査や画像診断である程度確認でき、生活指導・投薬にて進行を予防することが期待されています。

血管の病気

閉塞性動脈硬化症

糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・タバコが要因で、下肢の動脈の血行障害をきたします。
疼痛で長く歩くことが出来ず、重度になると壊死をきたしやむなく切断することもあります。
血圧脈波検査装置で検出することができます。ご相談ください。

骨の病気

骨粗鬆症

骨の強さ(骨強度)は、骨密度70%・骨質30%からなり、現状医療機関で確認できる骨密度を目安に骨粗鬆症の治療が行われています。高齢者や栄養状態が悪ければ、骨密度や性別に関係なく、骨強度が低下骨折しやすくなります。
ホルモン事情から中高年の女性に多く、脊椎圧迫骨折や高齢の転倒骨折(大腿骨など)の大きな原因です。健康寿命が重要とされる時代、検査治療が、年々進歩・改善しています。
比較的若い年齢では、長く服用しやすいラロキシフェン(SERM)やビタミンD製剤が、勧められています。
もう少し上の年齢では、ビスホスホネートが奨められることが多くなります(良い治療成績が報告)。
最近では、高価になり使用期間が限られますが、骨形成促進作用の確認されている副甲状腺ホルモン製剤テリパラチド(注射)も骨折の危険性の高い方に適応が認められています。
当院では、新しいガイドラインなどを参考に、副作用面もご説明したうえで患者さんと共に治療方針を決めたいと思います。

認知症

本人の意思が大切ですが、ご家族の負担も考慮して対応します。

アルツハイマー型認知症

代表的な認知症の病気です。取り繕いが一つの特徴でゆっくり発症するので、周囲の気づくのが遅れがちです。記憶障害から始まり、生活に支障をきたすので、ご本人は不安が強く時にいらだちといった反応が出ることもあります。
ご家族の方からご相談をうけ、生活ぶりや記憶の検査をすることで確認。現状では、進行を抑制するお薬を処方、介護サービスの利用などで円滑な日常生活を送っていただくことが目標になります。ご家族の観察・支援も大切です。

レビー小体型認知症

幻視・幻覚・症状の変動が目立つ・振戦歩行障害などが、特徴的。
記憶障害の検査は、同様ですが、アルツハイマーと異なり、症状に応じた対処や治療が必要になり、御家族の負担もやや大きい印象です。
但し、お薬の反応が良好なケースも多く見られます。

そのほかの認知症

正常圧水頭症・慢性硬膜下血腫といった治療可能な認知症をきたす疾患もあるので、正確な診断も大切です。
また、糖尿病脳血管障害重度のアルコール依存も先々の認知機能の低下に影響します。お気をつけください。

当院では、認知症であっても残された様々な機能を生かし、穏やかな毎日をお過ごしいただきたいと考えています。
地域の医療・介護事情の相談、往診対応など、お気軽にご相談ください。